近年、刀を売却・処分する際に、専門知識を持たないブランド品買取業者や骨董品買取業者に依頼されるケースが多くなっています。
日本刀は非常に専門性の高い美術品です。実は、日本刀の買取を謳っていても、専門知識と経験を持ち、査定まで出来る業者は非常に少なく、経験も知識も不足する業者によって多くの刀が不要品であるかのように安く扱われているのが現状です。
弊社は、外国人留学生を招いての授業や小学生に日本刀と触れあって貰う授業等、刀剣文化の普及啓蒙活動に力を入れています。
営利のみを目的として取り扱われる日本刀が正当な評価を受ける事はありません。日本刀文化を守り、後世に伝えていくためにも、日本刀の価値を正しく評価し、少しでも適正な価格で買い取りたいと考えています。
本ページで、美術品としての刀剣類の価値を知って頂き、刀剣類が持つ背景や位列などの専門知識の一端に触れて頂く事で、日本刀の取り扱いに敬意と愛情が注がれる事を願っております。
日本刀の買取相場
日本刀・刀剣の価値は、様々な要素を複合的に判断して決まります。
それらの中には経験や知識、美術的な鑑識眼を求められるものも多いのですが、本ページでは買い取り相場に影響を及ぼす要素のうち、日本刀に詳しくない方でも参考にして頂けるポイントをいくつかご紹介いたします。
作者について
刀の価値を測る上で最も重要であり、かつ明瞭なポイントの一つが作者です。
他の多くの美術品と同じように、高名な作者の作品は出来も良く、高い値が付きます。
刀剣の世界では、「位列」と呼ばれる、刀匠のランク表が一般に参考にされています。
これは、時代ごとの刀工を、その作品の評価によって「最上作、上々作、上作、中上作、中作」の順で五段階にランク分けしたもので、位列が高い刀工の作品ほど価格が高くなり、もちろん実際の作品の出来映えも良い傾向にあります。
刀工の位列は、古くは「本朝鍛冶考」、「掌中古刀銘鑑」、「新刀弁疑」等の古書により決められてきましたが、
近年においては刀剣鑑定の大家である藤代義雄氏により、古書によらない位列がつけられ、それを元にした位列が一般に使われています。
▼刀匠の位列はこちらからご覧いただけます
著名刀工銘一覧
また、刀を切れ味によって評価した「業物位列」という位列もあります。
これは、江戸時代後期に試し斬りの結果を基に作成された物で、「最上大業物」「大業物」「良業物」「業物」の順で四段階にランク分けされ、位列が高いほど斬れ味が良いとされます。こちらも、位列が高い御刀は知名度や人気が高く、価格に影響する場合があります。
製作年代について
日本刀は平安時代から現代に至るまで1000年に渡り作り続けられて来ました。
日本刀はその製作年代によって、古刀・新刀・新々刀・現代刀の4つに分けられます。
平安時代末期から文禄4年(1595年)までのを古刀、慶長(1596年)~安永9年(1780年)までのものを新刀、天明元年(1781年)~明治9年(1876年)の廃刀令までの物を新々刀、それ以降のものを現代刀と呼びます。
ただ古ければ高いという訳ではありませんが、刀の価値を評価する上で重要な要素となります。
▼代表的なお刀はこちらからご覧いただけます
著名刀工銘一覧
刀の出来映えについて
刀剣は、同じ刀工の作でも出来不出来によって大きく価値が変わります。
刀の出来映えは長年刀剣を勉強されてる方で無いと判断するのが難しいものです。
弊社では長年の経験を持つ鑑定士が刀の出来映えをしっかりと見極め、評価致しますのでご安心ください。
なお、いわゆる「欠点」の中には、注意深く見ると初心者の方でも発見できるものがあります。
「鍛え割れ」と呼ばれる制作時に出来た亀裂や、「破れ」と呼ばれる制作時に空気がこもり破けた箇所などがそれです。
しかし、「刃切れ」「膨れ」「再刃」など、初心者の方には判りにくい、或いはまず判らないような欠点もございます。
弊社でお買い取りする際は、もしそのような欠点があってもご納得頂けるまで判りやすくご説明いたしますのでご安心ください。
鑑定書について
日本刀の客観的な評価基準として、公益財団法人日本美術刀剣保存協会(以下日刀保)の鑑定書があります。
これは、第一に銘や極めの真偽を鑑定した物で、第二に刀の出来映えや保存状態を鑑定した物です。
同じ日刀保が発行した鑑定書でも、保存刀剣よりも特別保存刀剣、重要刀剣、特別重要刀剣の順に数が少なくなり、高価になっていきます。
また、鑑定書は日刀保以外からも様々な団体・個人によって発行されていますが、中には信頼性の低い鑑定書もございます。さらに、過去に日刀保の発行したものの中でも、現在あまり信頼されていない、古い認定書等もあります。
なお、日刀保の鑑定書は一指標に過ぎず、全てではございません。同じクラスの鑑定書が付いていても、一振一振大きく値段が異なりますし、鑑定書が付いていない物でも、弊社ではしっかりと鑑定しお買い取りいたします。
▼登録証・鑑定書の詳細はこちらからご覧いただけます
登録証・鑑定書について
刀剣の市場価値について
人気のある刀工や流派の作品や古名刀は高値で取引されますが、その時々で価値が上がる刀もあります。例えば、人気のあるアニメやゲーム、映画などで取り上げられた刀は本来の相場よりも高く取引されたりもします。元々の価値に加え、欲しい人が急増する事で市場価格が高騰していく要因になるのですが、ブームが去ると元の相場に戻っていく傾向にあります。人気のあるアニメ等で取り上げられた刀を持ってるという方は、欲しい人が急増してるうちに売却するのも高く売るポイントの一つです。銀座誠友堂では、コレクターとしての審美眼、刀剣商としての商品の見極め、鑑識力を持って査定する事を徹底しておりますので、売却をご検討の方、また他店の査定に納得できない方についてもご相談ください。
ネットを利用してコミュニケーションコスト軽減
インターネットの活用による、全体としてのコスト削減も高く売るポイントの一つとしてあげさせていただいております。
御店を始めた頃はインターネットでのご利用者も少なかったのですが、今では半数以上の方がネットからのご連絡となり、遠方のお客様や、御店になかなか足を運べない方からの買取依頼やお問合せも増えました。
インターネットをご利用なされる御客様が増えた事で、お買い取り品の概要や、登録証の有無、お客様のご要望等が事前に分かるため、弊社としてもコミュニケーションコストの軽減に繋がっております。
また、出張費の削減や、お買い取り数自体の増加など様々なメリットがあり、買取額に反映させて頂いております。
もちろん、持ち込み買取も歓迎しております。買い取り方法による買い取り金額の差異はございませんので、お客様にとって最も便利な方法をご利用ください。
なお、店舗は年中無休で営業しておりますが、出張や仕入れなどの為に鑑定士が不在の場合がございますので、持ち込み買い取りの場合は事前にご予約頂きますようお願い致します。
送っていただく画像について
オンライン買取やLINE買取の場合は、画像を適正に撮影頂く事もポイントになります。
最終的には現物をお送り頂いて判断致しますので、画像が不鮮明だからと言って実際の買取金額が下がるわけではございませんが、鮮明な画像を頂ければより正確な査定が可能になります。
- できる限り、詳しくお伝え下さい
所持された経緯や現在の状態など、ご存知の情報をできるだけ詳しくお伝えください。 - 写真は鮮明に撮り、複数枚お送り下さい
画像査定の場合、できる限り様々な部分の撮影をお願いいたします。
登録証(銃砲刀剣類登録証)については必ず撮影をお願いいたします。登録証についてはこちら
画像オンライン査定からは、10枚の画像をお送りすることができます。
全身画像(太刀・刀・脇差・短刀)刀身を鞘から出して撮影して下さい。 ※お怪我には十分ご留意下さい。 |
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柄を外した部分の画像(銘のある部分)お刀の柄を外した箇所に、刀工の名前(銘)がございます。 銘がある刀剣の場合は文字が読み取れるように撮影して下さい。 |
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鞘から抜いた刀身の拡大画像。光の反射など難しい場合もありますが、出来るだけわかりやすくお願い致します。 | |
拵・鐔などの付属品があればその全体と拡大画像。丸い鐔(鍔・つば)や柄の金具(縁頭・ふちがしら)、小柄(こづか・小刀)なども査定の対象となります。それらがわかる画像をお願い致します。 | |
登録証の画像(必須・読める大きさで) 登録証についてはこちら |
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鑑定書の画像(あれば) | |
その他特徴的な部分(傷・錆など)。特徴的な部分は拡大してお送りください。 |
日本刀や武具は、数百年の間、古くは千年も前から多くの人の手により大切に伝来された美術品です。銀座誠友堂はこれらの文化財を後世の人たちに伝えて行くことを責務と思い、真摯に向き合い営業して参りました。査定については経験や知識が豊富で国内外の最新市場価格にも精通した鑑定士が公正で納得できる確かな査定をし、常にお客様の立場に立って行っています。